七五三参拝
毎年11月、私のお寺で「報恩講」という大きな行事を行います。
報恩講が終わった翌週には、幼稚園の年中さんをお寺に招待して、七五三のお参りをすることも毎年の恒例となっています。
11月前半というのは1年のうち晴天が多い期間と言われます。この日も雲一つない晴天のもと、大きくなった年中さんの成長をみんなで喜び合う七五三参りを行いました。
宗教儀礼の一つに「献灯献花献香」があります。敬いと感謝の気持ちをもって、仏様に灯を捧げ、お花をお供えし、匂いを捧げ、行事をはじめるという意味合いの儀礼です。
今年の七五三参りは、年中さんに献灯献花献香を務めてもらい、恭しく開式しました。
左足右足と交互にそろえながら歩く作法を、丁寧につとめ、心を込めて灯と花と匂いをお供えしてくれました。
大きなのの様や竜や麒麟の飾りつけを見て、お香の匂いを嗅ぎ、本堂の独特な雰囲気を感じ、いつもと違う雰囲気にちょっぴり緊張気味な子どもたち。
誰かに言われるでもなく、手を合わせる子どもの姿もありました。
「七五三とは、みんなが今日まで大きな怪我や病気がなく、元気に成長してくれたことをお祝いする行事だよ。」
仏様に手を合わせ、私のお話を真剣にお話を聞いてくれました。
毎年七五三参りをするたびに考えさせられます。
目の前の子どもたちが今日まで元気に成長できたことは当たり前なことではありません。
ロシアとウクライナの戦争、イスラエルとハマスの衝突、今この瞬間にも多くの子どもたちの命が奪われています。怪我や病気で苦しんでいる子どももいます。
食べられるご飯がある、愛してくれる家族がいる、いつもそばにお友達がいてくれる、健康な体、健康な心。私たちが置かれている環境は決して当たり前ではなく、ありがたいものです。一つ一つ感謝の気持ちをもち、喜びの気持ちを積み重ねていくと、毎日をより大切に、楽しく生きていけるのではないかと思います。
私においても、心豊かに育つ子どもたちに囲まれて共に園生活を過ごすことができるのも決して当たり前のことではなく、何よりも喜ぶべき、ありがたいことです。
お寺での七五三参りを通して、感謝するという気持ちと向き合うきっかけになれば嬉しいです。
今まで元気に成長できたことは何よりもうれしいことです。そして、これからも元気に成長していけますように、順勝寺の仏様の前でみんなで手を合わせて念じました。