わかばのかぜ~園長からのおたより~

ぼくのカブトムシ

2023.07.01

男の子にとってカブト虫は永遠の憧れの存在であり、40歳になる私もカブトムシを目の前にすると、いまだに心が躍ります。

夏が近づき、おうちで育てているカブト虫を幼稚園に持ってきてくれる男の子が増えてきました。

飼育しているカブトムシの幼虫を見せたくて、土がパンパンに入った重たい虫かごを必死で運んで見せにきてくれる子もいます。

サナギとなった生体を観察しやすいようにトイレットペーパーの芯の中にサナギをいれて見せにきてくれた子もいます。

なるほどな~と子どものアイデアやカブト虫への愛情に驚かされます。

現在三年生になる卒園児の男の子が、幼稚園の子どもたちにとプレゼントしてくれた九匹の幼虫は、今まさにサナギになろうと準備中です。

彼も在園していた頃は大大大がつくほどの生き物好きで虫博士でした。

久しぶりに幼稚園に来てくれた時、在園児の小さな虫博士たちとすぐに意気投合し、生き物と一緒に戯れていました。

同じものに興味関心を持つもの同士、何か通ずるものがあるようです。

初対面でもすぐに仲良くなれる順応性は、人が好きであったり、好奇心旺盛であったりと、毎日が楽しくて、心が豊かに育っているからこその姿だと感じました。

カブトムシをめぐり、子どもたちは色々な物語を繰り広げています。

時にカブトムシの取り合いになって喧嘩になることもあります。

泣いている子にカブトムシを見せてあげて、慰めようとする優しさに出会うこともあります。

生き物を飼育することが、命を尊ぶ経験に繋がっていくことを願っています。

 

別の日のこと、昆虫大好きの年長さんが、珍しい幼虫を見せてくれました。よーく見ると、こちらをじっと見つめる可愛らしい目のような模様をしています。

早速子どもたちと図鑑で調べてみると…

「アケビコノハ」という蛾の幼虫だということが分かりました。大きな目玉模様で天敵を驚かせて、身を守るんだそうです。

休みの日に森で捕まえたらしく、小さくて珍しい虫を見つけてしまう子どもたちの観察力や生き物発見アンテナに脱帽です。

虫が大好きな子、鉄棒が得意な子、制作が好きな子、熱中するものは人それぞれ異なりますが、幼稚園生活の中で色んな出会いを経て、興味関心をたくさん膨らませて欲しいと思います。

子どもたちの大好きな夏はもうすぐです。