わかばのかぜ~園長からのおたより~

平和の鐘

2022.03.11

 多くの人が命を落とした大災害、東日本大震災から11年が経ちます。
順勝寺では、岐阜空襲に襲われた7月9日、終戦記念日である8月15日、そして東日本大震災が起きた3月11日に平和の鐘を鳴らします。
今年も幼稚園の年長さんが平和の鐘を鳴らしにお寺を訪れてくれました。
「被害にあった方へ思いやりの心を向けて、亡くなった人への想いや、災害の恐ろしさを忘れないように平和の鐘を鳴らそうね」とお話しすると、真っすぐな表情で頷いてくれました。
大きな撞木を両手で後ろに引き、釣鐘に向けて勢いよく当てると、「ゴーン」と平和の鐘が街中に響き渡りました。
響き渡る鐘の音を聞きながら、目をつぶって手を合わせる子どもたち。
ただ形式上で手を合わせるのではなく、子どもたちなりに平和について考え、平和を願い、真剣に手を合わせてくれているんだな~という想いが子どもたちの眼差しからしみじみと伝わってきます。子どもたちの姿から学ばせてもらうことばかりで、胸が熱くなりました。

私たちが暮らす日本は平和な国ですが、同じ空の下では、多くの人が傷つき、命を落とす悲しい戦争が起きています。

子どもたちの大好きなアンパンマンは、「正義のヒーローは戦いに勝つことではなく、ひもじい者に食べ物を与える事だ。本当の正義というのは、自らが犠牲になって困っている人を助けること」と教えてくれます。

ぶつかり合うのではなく、戦うのではなく、困っている人を助けられる、そんな優しい小学生になって欲しいと心から願っています。

このお話をした時、「みんなにとって正義のヒーローはだれ?」と聞くと、「パパ」と答えてくれた子がいました。

お父さんお母さんの存在は子どもたちにとってとても大きなものです。

平和の鐘を通して、子どもたちと大切な事を考える一日となりました。