わかばのかぜ~園長からのおたより~

えっとうさなぎ

2021.12.11

 「えっとうさなぎ」という言葉をご存じですか?
アゲハチョウの幼虫は、サナギとなり約二週間ほどで蝶へと羽化します。
しかし、サナギになったのが冬の寒い時期だったら、いざ蝶へ羽化しても、餌となる花が咲いておらず生きていくことが出来ません。
そこでアゲハチョウが考えたのが、暖かい春になるまでサナギのまま居続けて、冬を越すという方法です。

暖かい春になり、餌となる花が咲きだす時期に、サナギから蝶へと羽化するというのです。
生存するためのアゲハチョウの努力に驚きですが、もっと驚いたのは、越冬サナギの存在を教えてくれたのが、年長さんの男の子だったことです。
幼稚園では、子どもたちの育てている幼虫が虫かごから抜け出して、柱のいたるところでサナギになっていますが、くっついた茶色のサナギを指さして、「これはえっとうさなぎ!茶色だから」と教えてくれました。夏のサナギは緑色で、冬の越冬サナギは茶色ということも彼から教えてもらいました。


ある日、図鑑を指さし、クイズを出してくれました。

Q.砂漠に住むモロクトカゲはどうして身体にトゲがある?

1, 砂漠にあまり水がないから、そのとげにたまった水を飲む
2, トゲのある身体で敵から身を守る
3, 砂漠の色をして、身を隠す

皆様分かりますか?
私は、モロクトカゲの存在も初耳で、生きるための知恵にびっくり。
それを知っていた年長さんの知識にもっとびっくりしました。
「図鑑で読んで知ったんだ」と得意気に教えてくれました。
お母さんによると、生き物がとにかく大好きで、図鑑を読みたくて字の勉強を意欲的に取り組んでいるんだそうです。

子どもたちは興味関心のあるものに触れて心動かされると、もっとよく知りたいと思い、探求します。自ら湧き出た興味から得る知識は子どもたちの心にしっかりと根付き、どんどん学びが広がっていくんだなということを、小さな生き物博士から教えてもらいました。

クイズの答え・・・正解は1と2でした!

1・・・全身の皮膚には、とげによる細い溝が走っており、身体が少しでも濡れると水が口へ集まるようになっているんだよ。

2・・・首の背中側には大きなこぶがあり、これは敵に呑み込まれないためのものなんだって。