わかばのかぜ~園長からのおたより~

森の子どもたち

2021.12.06

どこでもドア切符を握りしめ、胸をドキドキワクワクさせながらバスに揺られ、「百々ヶ峰ふれあいの森」に遊びにいってきました。
到着すると、目の前に広がる大自然の風景に大喜びの子どもたちでした。
みんなで山の中を進んでいくと、「僕ね、景色が楽しみなんだ!」と、感受性豊かな表現が飛び出してびっくり。

初めて訪れた森という場所に不安そうな子もいましたが、お友達と手を繋いで山道を歩いていくうちに、だんだん笑顔をみせてくれました。不安なドキドキが楽しみなワクワクに変わり、安心したのでしょうか。心を支えるお友達の存在の大きさを感じました。

みんなが遊ぶ場所はふれあいの森を少し入ったところにある「薬木の広場」で、ここは四季折々の自然を楽しむことが出来ます。
生き物の姿は見られませんでしたが、カエデが赤や黄色に色づき、秋グミが実り、足元にはドングリや落ち葉がたくさん落ちていて、12月ながら秋を感じられる素敵な環境でした。


この日は温かい日差しが差し込み、風もなく、森にいるだけで心が洗われるような気持ちの良い時間を過ごせました。
子どもたちはというと、木の枝を集め秘密基地を作ったり、木登りをしたり、秋グミやフユイチゴを食べたり、落ち葉の上を音をたてて歩いたり、紅葉の色や形に心動かされたり、思い思いに遊び、予定していた滞在時間はあっという間に終わってしまいました。
子どもたちのワクワクに付き合っているつもりだったのに、いつの間にか私たち大人の方が夢中になっていて、こんな感覚久しぶりだな、と思いました。


帰り際に、男の子が「雲がすごいスピードで動いてる」と空を見上げてつぶやきました。
確かにこの日の雲の速度は速く、調べてみると冬は上空に風があると、雲の速度が速くなるそうです。また、遠くを眺めて何かを感じることができるのは、心に少し余裕がある時ではないでしょうか。子どもたちのつぶやきから、そんな自然科学や森の魅力に気づく事が出来ました。
幼稚園のように玩具や遊具はありませんが、圧倒的な自然環境が子どもたちの自然な姿や学びを引き出してくれます。
新たな価値に気付く機会として、これからもどこでもドアの日を続けていけたらと思います。

後日談ですが、日曜日、娘を連れてふれあいの森へ遊びに行ってきました。
すると、数組の幼稚園の子どもたちがご家族の方と一緒に遊びに来られていました。
どこでもドアの日がとても楽しかった、また行きたい!とおうちで話してくれたそうです。子どもたちの心に残るどこでもドアの日になったようで嬉しいです。
幼稚園での活動が子どもたちの世界を広げるきっかけになれたらいいな、と思います。