わかばのかぜ~園長からのおたより~

七五三にて

2021.11.13

七五三参りにて、年中さんの五歳の成長をお祝いしました。
健やかな成長を見守ってくれている仏様に感謝を伝えようと、子どもたち一人ひとりがお念珠をつけて丁寧に手を合わせました。

みんなにお念珠を配っている時のことです。きっと初めてお念珠を触ったのでしょう、1人の年中さんが、手にしたお念珠を不思議そうに見つめ、おもむろに鼻にお念珠を近づけて匂いを嗅ぎ、「良い匂いがする!」と声を漏らしました。それを見て、周りのお友達も同じように匂いを嗅ぎ、「バナナの匂いがする」「美味しい匂いがする」と女の子に続きます。中には「園長先生と同じ匂いがする」と言ってくれた子もいました。
興味を示し、お念珠の匂いを嗅ぐという子どもたちの行動がとても面白く、初めて手にするものを触るだけでなく、匂いを嗅いで情報を得ようとする子どもたちの直感的な行動に感心しました。

思えば私も幼少時代、生きものが大好きで、見るだけでは我慢が出来ず、なんでもかんでも触って感触を確かめていました。大きなウシガエルを素手で掴んだり、テントウムシを触ったとき掌についたオレンジ色の液体の匂いを恐る恐る嗅いでみたり…時には、触ってはいけない蜂を触ってしまい刺されて痛い思いをしたこともありますが、一つ一つが懐かしい思い出として鮮明に覚えています。
幼少期に、お友達とワクワクしながら五感を使って得た情報は、大きくなっても忘れない大切な宝物になるはずです。
お念珠の匂いと共に、仏様の前でみんなで成長を喜んだ七五三の思い出が子どもたちの心の支えとなることを願っています。