幼稚園からのお知らせ

できたよ!みててね。

2022.05.23

誰でも、苦手だな、やりたくないな、怖いな・・・って思うことありますよね。まだまだ幼い子ども達は、その不安な気持ちがなかなか言えなくて、心の中いっぱいにあふれてしまうと、幼稚園そのものが苦手になってしまう・・・そんな場面に出会うことがあります。

でも、本当は、「出来るようになりたいな、出来たらいいな」って思ってる子がほとんどです。そんな時には、出来ないことをむやみに「大丈夫だよ」と励ますのではなく、どんなことにつまずいているのか分析して、その子に今必要な援助をしていくことが大切です。

✊『できたよ!みててね』をめざして✊

年長組ではいよいよ『わくわくサーキット』を開始!そのスタートが『鉄棒』で、回りをクリアしたら次に進んでいくことが出来ます。前回りがどうしても難しいときはぶら下がり10秒でもOK!

わくわくサーキットのいいところは、楽しみながら連続的な運動に取り組めることですが、楽しいこと+「少しだけ挑戦してみよう!」という箇所も考えて取り組んでいます。ちょっとだけ頑張ってみたら意外と出来ることが多く、出来るようになると充実感や満足感を感じたり、もっと次にも挑戦してみようという意欲が生まれてきます。それが、その子が伸びている時なんですね。

そして、先生達もこの『わくわくサーキット』に想いがあります。どの子が何が得意で苦手なのかをしっかり把握して、一人ひとりが苦手なことにも向かっていける手助けをしていきたい!そんな願いを持って見守っている最中なんです。

さて、実際に取り組んでみると・・・

実は鉄棒が苦手な子が思いほか多くて、鉄棒の棒にぴょんっとお腹をくっつけて跳び乗ることが怖くて「できない!」・・・と、ちょっぴり涙が出てしまった姿もあったのです。

鉄棒をクリアしてしまえば、あとは「かんた~ん!!」楽しんでいる様子ではありますが・・・ちょうど、スポーツタイムでも跳び箱や鉄棒に挑戦し始めたところでしたので、年長組の先生達は清水先生とタッグを組んで、「できた!」という自信に繋げていけるように工夫を重ねて毎日コツコツと進めていますよ。

✊スポーツタイムでは・・・✊

清水先生は、子ども達が出来ないことにぶつかったとき、とことん考え工夫して、やる気をもって取り組めるように指導して下さいます。この日の指導では、

「鉄棒にぶら下がる時に、ただぶら下がるんじゃなくて、2つ約束を守ってやってみてごらん。一つ目は、顎を鉄棒の上に乗せて身体をしっかり支えるよ。二つ目は、足と手にぐっと力を入れてぶらさがるんだよ。それを沢山練習すると、みんなが憧れの逆上がりが出来るようになるからね!

清水先生から教えてもらって、まずは、ぶら下がりに挑戦!これは、みんなコツを掴んでとっても上手に出来ていましたよ。

腕と足にぐっと力を入れてみると・・・ほら、もうすぐ、くるんっと回れそう!!

そして、次は足抜き回りに挑戦!!「手を離さないでやってみようね」と清水先生と約束して足ぬき回りとしりぬき回りに挑戦してみたよ。

「だいじょうぶだからね!先生この手を絶対に離さないからやってごらん」子ども達は清水先生の力強い言葉を信じて、くるん!と身体を回します。「よし、よし!いいぞ!」「うまい!さっきよりすごく良くなったよ」周りの先生達のそんな言葉が、背中を後押ししてくれているみたい😊

1回目よりも2回目、2回目よりも3回目、とだんだん恐怖心が小さくなってきたみたい。

全員が出来るようになると、今度はホールの舞台に登る時に使う昇降用階段をひょいっと鉄棒の手前に置いた清水先生。

「ここに乗ってから鉄棒を握ってジャンプしてみようね。」お腹が乗っかると自然に下を向いて・・・くるりん!「よし!出来てるよ!!」

その中に一人、鉄棒に跳び乗ることにどうしても恐怖心がぬぐいされない子がいました。すると、清水先生はその子をぐっと持ち上げて、鉄棒の上に立たせたのです。勿論、先生はしっかりとその子の両脇を支えています。

「ここからジャンプできるかな?」すると、その子は、頷いて、ピョン!!思いっきり飛び降りて、ちらっと担任の先生を見て自慢顔。清水先生は、「じゃあ、これはどうかな?」その子を肩に担ぎました。すると、どうしても下を向くことが出来ず、怖がる様子が見られました。

それを見た清水先生は、「やっぱり。小さいときから、あんまり逆さになる経験をしていないのかもしれない。逆さが怖いんですね。お家でも、お父さん達に肩に担ぎ上げてもらって、逆さを向く経験をするといいですね」そんなアドバイスをくださいました。

最後に、清水先生は子ども達に、「幼稚園にも鉄棒があるから、少しでもやってみようとおもったら、近くに先生達に声をかけてね!ちゃんと先生達がお手伝いしてくれるからね。」

年長組の先生達も大きく頷いていましたよ。

子ども達は、園庭で、鉄棒やうんていが出来るようになると必ず「せんせい、できたよ!」「ねえねえ、みててね!」と私たちに出来るようになった自分を見て欲し気持ちをぶつけてくれます。その姿に感動して「すっごく上手!!」と褒めてみると、とびっきりの嬉しそうな表情や得意げな表情を見せてくれ、私たちまで嬉しくなります。

この幼稚園生活の中で、

「できたよ!ねえねえ、見ててね!」

こんな言葉がたくさん聞けるようになるといいな・・・と思います。そして、担任の先生は勿論のこと、みんなの先生でその姿をしっかりと認めていきたいと思っています😊