わかばのかぜ~園長からのおたより~

サナギのベッド

2022.09.01

けんとくんのお兄ちゃんは、数年前に卒園し、現在小学校に通っています。

けんとくんのお兄ちゃんはアゲハチョウが大好き。

先日、幼稚園の子どもたちにとアゲハチョウのサナギをプレゼントしてくれました。

アゲハチョウは口から糸を出し、木の枝や壁にくっついてサナギを作ります。サナギはとっても繊細で、外部から触れられたり、羽化する場所が窮屈だったりすると…羽が拡がり切らず死んでしまうことがあります。幼稚園で飼育していたアゲハの中にも、羽化したものの空を飛べず死んでいったことがあり、「なんでだろう?どうして飛べないんだろう?」と疑問と悲しみを子どもたちと共有したこともありました。

そんな繊細なアゲハチョウの幼虫を、お兄ちゃんは驚きの方法でお世話をしていました。

厚紙を器のようにくるっと丸めて、割りばしに張り付けると…まるでサナギのベットのようです。確かにこの方法なら、サナギが安定しますし、羽を充分に拡げて羽化することが出来ます。繊細なサナギの特徴と、羽化の習性を考えて作ったお兄ちゃんの考えに驚きました。そして、何よりアゲハへの愛情を感じました。

数日後…お兄ちゃんの愛情がこもったサナギから立派なアゲハチョウが顔を出し、子どもたちに見守られながらお空へと旅立っていきました。

けんとくんのお兄ちゃん、素敵なプレゼントをありがとう。