子どもたちの世界
子どもたちの行動には意味があり、興味や疑問が行動のきっかけとなることもあります。
年少さんのはるきくんが、虫かごに水を入れて園庭を歩いていました。
「どうするの?」と声を掛けると、ダンゴムシが水の中で泳げるか確かめたいんだそうです。
ダンゴムシは泳げずに溺れてしまうんじゃない?と思いましたが、よくよく考えてみるとダンゴムシは虫ではなく、エビの仲間です。もしかしたら泳げるのかも…と興味を抱き、はるきくんと一緒に見守ってみることにしました。
まずは肝心のダンゴムシを探しからです。「どこにいると思う?」と聞いてみると…「あっちで前見つけたんだ」と、りんごの木の下へとことこ歩いていきます。
木の下のプランターをひっくり返してダンゴムシを探していると、他の子どもたちも寄ってきて、一緒になって探してくれました。ふとしたことがきっかけで子どもたちの輪は広がっていきます。
無事ダンゴムシを捕まえると、早速泳げるのかどうか検証です。
写真がなくて伝えられないのが残念ですが、ダンゴムシを探している時や、水中で泳げるのかどうか検証している時、夢中になって取り組んでいる子どもたちの表情は、言葉では言い表せないほど生き生きしています。
この瞬間の子どもたちの表情が大好きです。
水の中に入れられたダンゴムシですが、死にはしないものの泳いでいる様子もありません。じっと観察していると、「ダンゴムシは水じゃないよ、砂だよ」と叫びながら、慌てて年少さんのたつきくんが飛んできました。
それを聞いたはるきくんは、納得した表情でダンゴムシを砂の上に逃がしてあげていました。はるきくんの興味からはじまったお外遊びでの出来事は、充実した時間となりました。
子どもたちの興味に終わりはありません。
ザリガニの雄と雌の違いを見比べたり(生きているザリガニと図鑑のザリガニを並べて検証しました。ザリガニの水が臭い~と鼻をつまむ子もいましたが、これも一つの経験となりました。ハサミの大きさと、お腹の機能に違いがあるんです)、カタツムリを捕まえようとする年少さんが、床にへばりつくカタツムリのねばねばの粘液に悪戦苦闘したり、捕まえてきたセミの名前を図鑑で調べ、「鳴かないからこの子はメスだね」なんてマメ知識が飛び出したり、セミは一週間しか外で生きられないから逃がしてあげようと子どもたちの判断で、元居た木の幹に逃がしてあげたり…子どもたちの興味や好奇心で活動がどんどん広がっていきます。子どもたちのたくましさや優しさに感心させられることばかりです。
何か面白い場面を発見した時、子どもたちの気持ちに耳を傾けながら動向を見守る事が楽しみです。