わかばのかぜ~園長からのおたより~

育つ力

2022.06.06

先週のお外遊びの時間、年中の女の子たちがウッドデッキで輪投げをして遊んでいました。

楽しそうにしていましたが、その中の一人のAちゃんが突然泣き出しました。

「どうしたの?」とお話を聞いてみると…

「Rちゃんが私を仲間外れにしたの…私一緒に遊ぼっていったのに、1人にされた」

どうやらAちゃんは仲間外れにされたと感じ、悲しかったようです。

 

隣の輪投げでSちゃんと遊んでいたRちゃんはうつむきながら答えました。

「違うの。隣の輪投げで1人で遊んでいたSちゃんが寂しそうだったから、一緒に遊んであげようと思ったの」

仲間外れにしたわけではなく、一人で遊んでいたSちゃんのことが気になって、一緒に遊んであげようと思ったんだそうです。

それを仲間外れにされたと思ったAちゃんは「私もRちゃんと一緒に遊びたかった…」と涙が止まりません。

二人のやり取りを横で見ていたSちゃんは、にっこり笑って「じゃあ三人で遊ぼ!」と、間に割って入りました。

うつむいていたRちゃんも「Aちゃん一緒に遊ぼ。これAちゃんの分ね」

と、泣いているAちゃんの腕にたくさんの輪投げの輪をぶらさげてあげるSちゃんとRちゃんでした。

 

泣いていたAちゃんは、たくさんの輪で片手がふさがった自分の腕を見て

「ロボットみたい」と、ニコッと笑って、笑顔をみせてくれました。

「ロボットだー!」とSちゃんとRちゃんもにっこり。

私が間に入るまでもなく、自分たちで気持ちを話し合って解決し、仲直りした子どもたちでした。

 

子どもたちは自分自身で育っていく力を持っています。

必要なのは、何から何まで私たちが口を挟むのではなく子どもたちを見守り、いざという時に寄り添ってあげることなのだと思います。

子どもの育つ力を感じさせてくれた三人の女の子のエピソードでした。