わかばのかぜ~園長からのおたより~

夏期保育の朝

2021.07.29

7月最後の夏期保育、朝から太陽が照り付ける中、暑さに負けず、元気にお外で子どもたちが遊んでいます。
私の姿を見つけると、「見て見て~」と子どもたちが掛け寄ってきてくれて、自分の宝物を見せてくれました。
一つ目の宝物は、可愛い目をした二匹のアマガエルでした。虫かごには、カエルが生息しやすいように水場と石で作った陸地があり、ご飯となる小さなバッタもいました。生き物に興味を持ち、生態を知り、飼育することで、命の不思議や尊さを学ぶきっかけに繋がると嬉しいですが、私がそうだったように、今はただ自分で生き物を捕まえ、飼育し、小さな命と触れ合う喜びを感じ、知的好奇心をどんどん膨らませて欲しいなと思います。それにしても立派な大きさのアマガエルでびっくり。
   
別のお友達が見せてくれた宝物は、夏の風物詩といえるセミの抜け殻と、セミとして羽化しようと土から出て木に登ったものの、羽化する前に力尽きて死んでしまったセミの幼虫でした。セミとして飛んで行き、抜け殻となった幼虫と、セミになれず死んでしまった幼虫を不思議そうに見比べる子どもたち。「セミになれずに死んじゃって可哀そうだね」と話しながら、みんなで幼稚園の片隅にあるお墓に埋めてあげました。

園庭の片隅では、年長さんが桜の木に止まっているセミを手づかみで捕まえて、得意気に見せてくれました。
セミを指さして「この子、鳴かないからメスだよ。オスしか鳴かないんだよ」と豆知識を教えてくれました。みんな詳しい!
じっくり観察した後は、みんなでセミを逃がしてあげることに。もう捕まらないようにと、できるだけ木の高いところに逃がしてあげたいと思いついた優しい子どもたちでした。必死で背伸びをして高い幹に逃がそうとする姿が可愛かったです。


面白い豆知識をご紹介します。
セミの幼虫は、土の中で約6~7年の年月をかけて、木の根から樹液を吸って成長します。しかし、木の樹液にも限界があり、樹液を吸われすぎて弱っていくと、防衛策として樹液を出さなくなるそうです。そうなると、セミの幼虫は樹液を求めて、土の中をゆっくり掘り進み、新たな木の根へ移動して成長していくそうです。

生きていくために樹液を求めて移動するセミの幼虫と、命を守るために樹液を出さなくなる木。立場は違えど、お互い生きる為に一生懸命工夫して命を燃やしています。子どもたちの身近な命との触れ合いを通して、生き物の不思議や命の大切さを感じ、子どもたちが生きている今この瞬間を大切に、全力で楽しみながら毎日を過ごして欲しいと思います。
夏期保育の朝のお外遊びは、ワクワクドキドキが溢れる刺激的な時間が流れていました。