『こどもしゅうかい』はじまる。
幼稚園には、化石博士が数名います。
その中に、子どもたちの探した「化石」を見ては、「これはね、○○の大腿骨の部分だよ」などと解説してくれる、自称考古学者Dちゃん(年長組)がいます。
2月16日(金)の帰りのこと。
Dちゃんがこんな相談を持ちかけてくれました。
何でも、「化石についての話をしたいから、みんなで集まろうよ。」というのです。
その話を聞いて、年中組のE君も「ぼくも火山岩について話したい!」
そこで2月19日(月)に、年中組と年長組の子どもたちが集まって、お友達のお話をきく はじめての『子どもしゅうかい』を開催することになりました。
19日、年中組さんの声が、幼稚園内のスピーカーから響き渡りました。
「これから、子どもしゅうかいをします。3階ホールに来てください。まってるね!」
興味津々のお顔で、ぞろぞろとホールにやってくる子どもたち。
「どんなことが始まるのかな?」
せっかくなので異年齢でも関われるように・・・と各バスコース(送迎の子は2つに分かれて)ごとに円になって座りました。
🎤司会ももちろん、子どもたちです。ドキドキしながらマイクを持って・・・
「これから、こどもしゅうかいを始めます!」
そして、Dちゃんが壇上に上がり、恐竜の時代~化石が出来るまでを、張り切ってお話し始めました。
一つひとつ言葉を考えながら、詳しく流れるように話す姿に、子どもたちも先生たちもびっくり。
一通り話し終わると、「それではクイズです!」・・・なんと3択クイズまで準備してきてくれていました😲
恐竜クイズに、子どもたちは大盛り上がり!!
Dちゃんのお話が終わりました。
がんばってお話してくれたお友達に、ありったけの拍手を送るみんな。
次のお友達にマイクをバトンタッチです。
🎤「ぼくは、火山のことを話します」
今度はEちゃんが壇上に上がり、火山のつくりやカルデラについてお話ししてくれました。
マイクを握る手がほんの少し震えていましたが、「どんな話?」とワクワクしている目の前の子どもたちを見て、E君もゆっくりと一生懸命話してくれましたよ。
興味のあることに対する、子どもたちの知識の深さにただただ驚きでした。
「他にも、『こんなことお話したいな~』っていう子、いるかな?」
すると、たくさんの手が挙がりましたよ。
🎤石に興味津々のU君が、中津川の『博石館(ストーンミュージアム)』に行ってきたお話をしてくれました。
子ども達のお話を聞いた後、子どもたちにこんなことを問いかけてみました。
『幼稚園でみんなが拾っているものは、「化石だよ!」と言う子もいれば「石だよ!」と言う子もいるけどみんなはどっちだと思う?みんなの気持ちをグループのみんなにお話ししてみようか。』
バスコースの輪の中に先生たちも入って、子どもたちの話し合いに耳を傾けます。
う~ん、と考えている子。
分からなくて、面白くないなという表情の子。。。いろんな反応がみられました。
そして年長組さんが中心になって、意見がぽつり、ぽつりと出始めました。
「石だと思う。駐車場で落とした時、割れなかったから。」
「ぼくも、石だと思う。地面の上の方にあったから。化石は地面の深いところにあるから。」
なるほど、よく見ているね。
「化石だよ。理由は、白っぽかったから。」
「化石だと思う。割れた時、中の方が白かったから。」
「集めたら、恐竜のしっぽの骨みたいになったから、あれは化石かなぁ」
マイクを持ってお話ししてくれる子もいて、だんだん自由に話すことに慣れてきた様子😊
⏱そろそろ終わりの時間です。
初めての『こどもしゅうかい』はここまで。
この話の続きは、お部屋に戻ってから。そこでさらに盛り上がったクラスもありました。
💗後日、年中組と年長組の先生たちが集まって、この初めての試みについて話し合いました。
先生たちがこの集会で感じたことは様々で、色んな見方や意見が飛び交い、まるで子どもの代弁者のように語ってくれた先生も。
・子どもたちは私たちが思っていた以上に多くの言葉を知っていて、頭の中で色んな事を考えていることに驚いた。
・恥ずかしい気持ちも当然あるけれど、「誰かに話したい!伝えたい!聞いてほしい!」という気持ちも確かに育ってきているようだ。
・話したい子もいれば、話したくない子もいる。でも、自分の興味があることに対しては『聞きたい気持ち』をみんなが持っている。
・人数が多すぎるから、子どもたちの声がみんなに届いていない。第2回は、お話を聞くだけでよいのではないか。
・子どもたちに無理なく進めていきたい、でも自分の「話したいという気持ち」も大切にしたい。
・「今度はこんなこと話したいな!」と決めている子もいるし、楽しみにしている子もいる。
・グループでの話し合いについては、クラスごとなら友達同士慣れていて心を許しているから、クラスに戻ってから話し合う方が色んな子が話しやすいのではないか。
「一生懸命だった子どもたちの姿には、私たちも一生懸命に応えたい」そんな気持ちを、先生たちからも感じました。
そして行った、第2回「こどもしゅうかい」の様子も、次回にお知らせしますね😊