心の日(年長組)
1月23日(月)、園長先生と子ども達との『心の日』を行いました。
今回の心の日には、園庭のプランターで冬の毎日を彩ってくれているパンジーのお花を仏花として飾りました。そして・・・
これから園長先生がお話して下さる、刀根里衣さんのこの絵本が、子ども達のまっすぐな心を包み込んで、何かを感じさせてくれることと思います。
年長の子ども達は、ホールで、心の日が始まるのを待っていてくれました。
私たちも驚くほどの静けさでした。手にはお念珠をかけて・・・
一人ひとりの心が伝わってきます。
「園長先生のお話、どんなお話なんだろう。」「どんな絵本を読んでくれるんだろう」と期待を持って、しっかりと心の窓を開けて、聞く準備をしているのを感じました。
「今日は、みんなに先生の大好きな絵本を読みたいな。
その前に、みんながお念珠を持っていてくれるね。まずは、ののさまにご挨拶をしようか」
「ののさまのポーズを覚えているかな?
右手は「オッケー👌」というかたちだね。それは、みんなは周りのお友達とお顔も違うし、好きなことや得意なことも違うよね。でもね、みんなはみんなのままでいいんだよ。オッケーだよ!って言っているんだよ。
反対の左手は、お皿の形だね。「困っている人や苦しんでいるお友達をみんなお皿のようにすくいますよ。」という現れなんだよ。
ののさまの、姿や形は見えないけれど、みんなのことをいつも見守っているからね。」
「それでは、なむあみだぶつ(南無阿弥陀仏)と3回言ったら礼拝といっておじぎをするよ。」
みんなはとてもきちんとお参りが出来ていましたよ。
「これから絵本を読むけれど、みんなが思うように楽しんでくれればいいからね。」
園長先生の言葉に、子ども達はホッとして、気持ちをリラックスさせながら聞く準備ができました。
そうして、いよいよ『ぴっぽのたび』のお話が大画面でのスライドショーで、始まりました。
(以下は、お話の概要です。)
ある日、かえるが「ひとりぼっちはさみしいな。」と思いながら過ごしていると、一匹の羊に出会います。
5月~8月まで、二人はさまざまな場所に、一緒に旅をします。
旅を通して、いつしか大切な友達になっていた二人ですが・・・
12月になると、かえるは「もうひとりでも大丈夫」といって、羊を置いてどんどん進んでいってしまいます。
そうしてまたひとりぼっちになったとき、羊の大切さをしみじみと思い出し、羊を必死に探します。
そして、3月に二人は念願の再会を果たすことができ、喜び合う・・・そんなお話です。
とても色彩豊かで美しい、独特なタッチの絵本で、子ども達も私たちも見入ってしまい、絵本のお話はあっという間に終わりました。
園長先生が、子ども達に問いかけます。
「ぴっぽが歩いて行っちゃったとき、ひつじはどんな気持ちだったかな?」
「かなしかった。」「さみしかった。」とこどもたち。
園長先生が「なんでだろう?」と尋ねると、子ども達は、じっと考えていました。
そこで、園長先生自身が感じたことを子ども達にお話しされました。
「かえるにとって、いつしか羊はそばにいることがあたりまえになっちゃったんじゃないかな?そしてお友達が大切だなという気持ちを忘れちゃったのかも。
でも、ひとりぼっちになったとき、必死でひつじを探していたね。
心が離れちゃったときに「あ、悪いことしたな・・・」って感じたこと、先生はあるよ。
近くにいると当たり前になって、お友達や家族に何かしてもらったときに「ありがとう」「ごめんね」といえなかったとき、みんなもあるかな?
この幼稚園で3年間過ごしたお友達と一緒に過ごせるのもあと少し。
残された毎日のなかで、お友達のことが「だいすき。」と思ったり、何か悪いなと思ったら「ごめんね」と思ったら伝えていこうね。そういう気持ちを大切にしながら、楽しく過ごしてほしいな。
先生たちも会えなくなるのは淋しいけれど、みんなのことをいつもいつも応援しているからね。」
子ども達は、最後までとても静かにお話を聞いていました。
子ども達の心が園長先生のお話にまっすぐに向いていて、その一つひとつのことばを受け入れながら聞いていた姿に、みんなの心の成長をしみじみ感じました。
園生活も残すところ40日を切り、普段の年長組の姿を見ていて、「なんだか、子ども達を見ていると、3学期は先生とよりも、友達とすごく楽しそうに遊んでて、友達との絆がすごく深まっているような気がする」と話されていた園長先生。私たちも色々な場面でそれを感じています。
そんな子ども達が、園長先生が読み聞かせてくださった『ぴっぽのたび』の絵本とそのお話を通して、お友達の存在を今まで以上に大切に感じてくれたら本当に嬉しいです。
それは一番私たちが大切にしたい心で、お友達の存在は、子ども達の人生を豊かにしてくれるかけがえのない存在だからです。
園長先生と心の対話ができた心の日。とても心温まるひとときとなりました。