幼稚園からのお知らせ

宮島先生に学ぶ(学園研修会)

2022.04.30

幼稚園の母体である「学校法人杉山学園」では、年3回の学園研修会が行われます。
4月30日(土)は、その第一回目の研修でした。

教員・運転手・調理員がそれぞれの分科会に分かれて研修に参加しましたが、私たち教員は、現在岐阜聖徳大学で教鞭を執られる宮島康広先生を講師に迎え、大変貴重なお話を聞くことが出来ました。
宮島先生は長きにわたり校長職を歴任されており、杉山学園の教員が取り組んでいる保育実践についても、毎年アドバイスを頂いています。

今回は、宮島先生が愛情を持って関わってこられた子ども達の中でも、決して恵まれた環境とは言い難い、辛い境遇を生きた子との思い出や実体験を聞かせて下さいました。
今回の講義のきっかけは、昨年の学園研修会の最後に聞かせて下さった、窃盗などの罪で少年院や教護院に送致されていたK君のお話でした。

「大人はみんな信じられん」と、かたくなに誰にも心を開かなかったK君に対し、宮島先生の「じゃあ、今まで誰が君のことを一番心配してくれた?」の問いに、返ってきた言葉。

それが、講義を受けていた私たちの心にずばっと刺さったのを今も覚えています。

「幼稚園の先生はよかった。幼稚園の先生は丸ごと自分を受け止めてくれた」

後から分かったことですが、彼は家出をしているときに、幼稚園の園庭にいたこともあったそうです。

今回、K君以外にも様々な小・中学生の子ども達のお話を聞いて、幼児教育の重要性(卒園後の子どもの生育にもつながり、大なり小なり影響を与えていくものであること)実感し、その責任の重さも痛感しました。

「幼稚園の先生達の仕事は、見えにくいけど、確実に子どもの未来につながっているやりがいのある仕事です」
「私たちには見えていない部分で、実は満たされていない気持ちがある子もいるかもしれないが、幼稚園生活の中でひとつでも楽しいこと・嬉しかったことを経験する、その積み重ねにより その子らしい花が開いていけるのです」

宮島先生のこの言葉に、改めてポンッと背中を押されたような気持ちになりました。

私たち職員の根底にあるのは『一人ひとりをみんなで大切にする』という信念ですが、宮島先生のお話から、それを再確認できたことは大きな収穫でした。

さらに今後も、子ども達の未来のために今、何ができるのかを、職員で力をあわせて探り続けていきたいと思います。