サラマンカ・サマーコンサート(年長組)
9月16日(金)、若葉第2・第3幼稚園の年長組が参加した『サラマンカ・サマーコンサート』。
コロナ禍で参加できない年が続いていましたので、やっと・・・という想いで足を運びました。
今回は、ピアニスト・作曲家として幅広くご活躍されている『西村由紀江さん』のコンサートです。
西村さんの演奏をTVでご覧になられたり、その音楽を耳にされた保護者の方も多いかと思います。年間60本を超えるコンサートで全国各地を訪れる傍ら、ライフワークとして「学校コンサート」や「病院コンサート」、そして被災地にピアノを届ける活動「Smile Piano 500」にも精力を注いでみえる西村さん。
若葉第2幼稚園の園長先生によって企画していただき、今回叶った、夢のようなコンサートです。子ども達もですが、私たちもワクワクドキドキが止まりませんでした😊
「どんな人なのかな・・・?」と目を輝かせながら、席で待つ子ども達。
開始のベルが鳴り、少しライトが落とされ、次の瞬間には真っ赤なドレスを纏った西村さんがとびっきりの優しい笑顔で登場されました。
早速、夢のコンサートの始まりです。
先日のオリンピックでは、民謡をベースにした力強い音楽に合わせて踊った子ども達ですが、1週間もたたないうちに、今度はピアノという楽器で表現される様々な音色を耳にすることが出来た子ども達。とても貴重な経験が出来て幸せだなぁと思いました。
さて、オリジナル曲『風のスキップ』を演奏されている時には、その軽快なリズムに、思わず身体が揺れる子ども達。
サラマンカホール全体にピアノの音色が拡がります。音楽の強弱だけでなく、メロディーが高い音から低い音に移ったり、いくつもの音の響きがとても美しく重なり、曲を盛り上げていきます。
西村さんの心地よい音楽に、子ども達は徐々にリラックスしていったようです。
聴いている子ども達の中には、西村さんの手の動きを真似っこして、airピアノで弾いているつもりになっている姿も見られ、とってもほほえましかったです。私たち大人はつい頭で聴いていることが多いのですが、子ども達は、小さな心をいっぱいに震わせながら聴いているんだな・・・としみじみ感じました。
西村さんご自身が小さいと仰られた手。その指先から紡ぎだされる一音一音には、西村さんの想いが込められていて、「美しい音色」という表現では表わし切れない、何か子ども達に話しかけてくださっているようなそんな音楽に聴こえました。
砂に水が浸み込んでいくような吸収力をもったみんなです。それぞれ、何かを感じ取っているのが真剣な表情から伝わってきました。
先生たちも、久しぶりのコンサートにとっても心癒されていたようですよ😊
「みなさんの生活の中にある音をピアノで表します。何の音かあててみてね。」と始まった、音当てクイズ!
早速、子ども達からは「はい!」とたくさんの手が上がりましたよ。
手を挙げて西村さんにあててもらった子ども達が緊張して、すぐに答えられない場面もありましたが、にこやかにじっと待っていて下さり、子ども達は安心して、一生懸命答えていましたよ。
子ども達の感性もなかなかなもので、クイズ第1問の答えは救急車の音だったけれど、「ちゅうりっぷのうた」と答える子も。その子の耳にちゅうりっぷのメロディーが残っているからこその答えに、思わず感心してしまいました。
第2問の音の答えは、LINEのコール音。これにはほとんどの子ども達が手を挙げていて、さすが現代っ子には浸透しているんだな。とびっくり。
第3問の音の答えは猫の鳴き声だったのですが、「チーター!」「ライオン」「キリン」などなど、さまざまに感じ取った答えが。正解・不正解に関わらず、子ども達が自分が感じたことを素直にみんなの前で発表しようとする姿が、とっても素敵で嬉しかったです。
西村さんも「惜しいけど、ブー!だなぁ」と苦笑い。音当てクイズは大盛り上がりでしたよ♪
子ども達が大好きなトトロやポニョの曲も、独自のアレンジで素敵に演奏して下さったり、時には深呼吸を入れてくださったり・・・
とにかく小さな子ども達が飽きないように心を配ってくださるプログラムを準備してくださり、子どもたちへの声がけも本当に温かいものでした。
次に弾いてくださったオリジナル曲『ビタミン』という曲は、もしかしたら、普段保育を一生懸命頑張っている先生たちへのプレゼントかも…と感じるほど、元気をたくさんもらえる曲で、私も大好きになりました。
ピアノを習っている子もいない子も、みんなで楽しめるように工夫されていた『みんなで曲を作ってみよう!』のコーナーでは、『ド・レ・ミ』の3音を使って8小節のメロディーを西村さんと子ども達が一緒に考えました。
さあ、子ども達がそれぞれ3つの音を並べていって、こんなメロディーが出来上がりました!!
子ども達から西村さんにバトンタッチ!このメロディーに伴奏をつけてくださり、その場で即興演奏が始まりました。
一瞬で作曲され、次々に変奏され展開されていく西村さんのピアノ演奏は、まるで子ども達が描いた鉛筆の輪郭にどんどん色付けされていくみたい。とても驚いた顔でじっと聴いていた子ども達でした。
クラシックの有名な部分をつないで弾いてくださったクラシックメドレー。「あ、聞いたことあるよ」と小さな声で教えてくれた子も。みんなは憧れの眼差しで、目をキラキラさせて聴いていたね。
そして、『あんたがたどこさ』のリズム遊びでは、手拍子を使って緩急をつけたり、強弱を表現したり、お休みを入れたり。子どもたちにとって、素晴らしい経験だったと思います。
始めはうまく合わなかった子も、すぐにリズムに慣れてきて、一生懸命手拍子を鳴らしていましたよ。
会場のみんなの心が一つになっていくのを感じました。
そして、コンサートも終わりに近づき、コロナ禍になる前はこどもたちによって歌い継がれてきた「しあわせ運べるように」や「わかばようちえんのうた」を演奏して下さった西村さん。やっぱり音楽っていいな・・・と、心の底から感じたひとときでした。
最後は、第2・第3幼稚園から代表のお友達が、花束とプレゼントを渡して、今日のコンサートのお礼を伝えました。
とっても緊張していた二人に、始終にこやかに接して下さった西村さん。
子ども達のための素敵なコンサートを聴かせて下さった西村さんを、大好きになった子ども達からは大きな大きな拍手が鳴り響きました。
岐阜とのご縁を10年間大切にしてくださっている西村さん。
2022年の『サラマンカ・サマーコンサート』はいつまでも子ども達の心に残っていくことと思います。
西村由紀江さん、子どもたちや私たちにとって本当に素敵なひとときをありがとうございました。