心の日(年中組)
7月12日(火)、年中組さんの『心の日』を3階ホールにて行いました。
この日、園長先生が年中組の子ども達に準備された絵本は、『ミミズ』。
今回は、『ふしぎ発見タイム』(虫博士の園長先生から生き物についてのお話を学ぶ会)と、『心の日』(命についてや感謝の気持ちを持つことなど、時々『のの様』も登場しながら、園長先生とみんなの心で交流するひととき)が融合したような内容で、子ども達にとっては興味深いひとときだったように思います。
さあ、この一冊の本から、子ども達のまっさらな心のキャンパスにどんなことが描かれていくのかな😊聞いている私たちも楽しみになる時間の始まりです。
💞お約束💞
お話の前に、園長先生と心の時間のお約束をしました。
「みんなの目でお話しする人の目をしっかり見て聞いてね、そして、お耳でお話しする人の声をよく聞いてね、そして、みんなの心でお話しする人の心をよく感じて欲しいな。」
そして準備されたお仏壇の、のの様に向けて「なもあみだぶつ」を3回唱えて礼拝(礼)することを学びました。お手々をしっかりと手を合わせて、心を込めて唱えていた子ども達。
礼拝(らいはい)。目をつむって、きちんと礼ができたね。。
いよいよ園長先生による、絵本の読み聞かせが始まります。子ども達は大きな画面からどんなお話が始まるのか、ワクワクドキドキしながら見つめていましたよ。
『みみず、ちいさな生き物たち』
みみずを近くでよく見てみると、剛毛に包まれているんだって。そしてみみずは皮膚で呼吸しているんだね。
目のないみみずは、小さいけれど5つの心臓を動かして一生懸命に生きていることも知ったね。そして太陽の光を1時間も当たってしまうと死んでしまうんだって。
鳥やねずみは雨の日が大好き。それは、雨が降るとみみずが土の中から出てくるから。
みみずは、ねずみやアナグマやヒキガエルのご馳走でもあるんだよ。
みみずの大好物は、腐りかけた葉っぱなんだね。生きている物は食べないんだって。
そして、「みみずの口には歯がない」と聞いて、「えーっ!!」びっくりしていたみんな。
みみずのうんちは、まるで小さなおだんごのよう。そのうんちは栄養たっぷりなんだって。みみずが土の中で動き回ると道が出来て、植物の根っこがその中をのびていくよ。みみずはお庭の味方なんだね!
🌼絵本が終わって🌼
みみずのこと、こんなに知ってた?と園長先生がみんなに尋ねると・・・
「知らなかった!」「みみずは触ったことあるけど、知らなかったよ。」
そして最後に、先日ブログでもご紹介した『ミミズとカニ』のエピソードをお話しされた園長先生。
ミミズとカニと、みんなの気持ち (←こちらをクリックして下さいね)
「みんなだったらどう?カニさんにみみずをあげたいかな?あげたい子は、どうしてカニさんにあげたいの?」
するとみんなが「は~い!」と手をあげてくれました。
りょう君は「カニさんが生きられないからみみずをあげたい」ってお話ししてくれたよ。
他にはどうかな?
「みみずをあげたくな~い」「にがしたい!」「でも、カニさんも、みみず食べたいよ」
ななちゃんは、「みみずはかわいいから、カニさんに食べられたらかわいそうだから逃がしたい。」とお話ししてくれたよ。
きっと他にも色んなことを心で感じたから、みんなの手がたくさん挙がったんだね。
「じゃあ、みみずを食べたらカニさんは悪いのかな?」の問い掛けには・・・
「カニさん悪いよ」「お腹空いてるからしょうがないやん」ここでも色んな意見が飛び出していましたよ。
そんなみんなに、園長先生は・・・
「今日のお給食ね、みんなが大好きな鯵(アジ)の塩焼きだって。アジって海にいるお魚だよ。でも、さかのぼってみると、漁師さんが海で釣ったあと、お魚屋さんが鯵を殺してさばいて、それが幼稚園に運ばれてきて、調理員さんがお料理してくれるんだよね。
考えると、みんなも先生達も、生き物の色んな命をいただいて生きているんだね。みんな給食食べるときには何て言うんだったかな?」
「いただきます!っていうよ」と手を合わせて見せてくれたお友だち。そうだね、多くの命と皆様のおかげによりこの命をいただきましたって言うよね。
「そうそう、カニさんがやらないことがひとつあるんだよ。」と園長先生。
「カニさんは、お腹が空いてるときは、みみずを捕まえて食べちゃうんだけど、お腹がいっぱいなときはみみずが目の前にいても攻撃しないで知らん顔して食べないんだよ。どうしてだと思う?」
「お腹がぽんぽんで、もう食べられなくなったから。」「お腹いっぱいの時は、ぼくも食べたくないよ」
「そう、カニさんは生きるためにみみずを食べるので、無駄に食べたりはしないんだよ。
先生も振り返ってみると、小さい頃、時々この虫を潰したらどうなるのかな?と興味があって踏んづけちゃったこともあるんだよ。けれど、今思うと「とってもかわいそうなことしちゃったな。」と思ってる。そして、さっき、絵本で見たようにみみずは一生懸命生きてるよね。小さな5つの心臓で、小さな命でも一生懸命生きている命なんだね。」
それをきいて、「カブトムシも!」「アリさんもだよ」と、身近な虫を口にする子ども達。その声は優しさであふれていました。
「これからまた、みんなが虫や生き物を見つけた時には、今日の絵本を思い出して、命を大切にして欲しいなとおもいます。」
そして、「みんなにみみずを見せたくて、捕まえてきたんだよ。ほら、みみず😊」と生きているみみずを子ども達に見せてくださった園長先生は、すっかり虫博士の笑顔になっていましたよ😊
心の日の最後に、『恩徳讃』の歌を聞きました。園長先生やお部屋の先生達みんなで合唱する曲をじっと耳を澄まして聴いてくれたね。この歌の内容は、少し難しいけれどとっても大切なことを歌っているんだよ。
また年長組の心の日に、園長先生がお話を聞かせてくださることでしょう。
🌼その後、お部屋では🌼
さて、心の日が終わってから、お部屋で順番に本物のみみずを見ていた子どもたち。みんなが感じたことは・・・。
「みみずって、おめめがないんだね」
「ぬるぬるしてるところで息してるんだよ。」
「あれ、あんまり動かないな。なんで?」
「土がないから苦しいのかな。」
そして、「先生、もうお外の土があるところに戻してあげて」とお話しに来てくれる子もいましたよ。
若葉第三幼稚園には、虫さがしや生き物に触れ合うことが大好きな子ども達であふれています。また、生き物当番で、えさやりを一生懸命にしてくれる姿も毎日見かけます。
中には、昔は苦手だったけれどこの頃ダンゴムシを捕まえたり、バッタを捕まえるようになった子ども達や、まだ怖くてみんなの後ろでこっそりみている子ども達も、それぞれです。
私たち大人は、普段、子ども達に命の大切さを早急に伝えたいと思うとき、「そんなことしたら、死んじゃうからダメだよ」などと、生き物の死に向かい合わせようとします。
しかし、園長先生の『心の日』は、目の前にいるみみずがどんな風に生きているのか、まずその姿や生態を知り、またカニが生きていくための捕食について知り、そして私たちも生きるために色んな生き物の命を頂いていることに気づく、大きなきっかけとなりました。
今、この瞬間に生きている。それはお魚もイモリもカブトムシも、アゲハチョウの幼虫もサナギも、そしてかわいい子ども達もみ~んな一緒。その触れあいの中で、それぞれの生き物にとって「しあわせなことってなんだろう?」と、みんなで話し合いながら考えていく経験の積み重ねが、子ども達の心の栄養となり、いつか心の根っこが成長していくように感じました。
子ども達が本来持っている優しさや慈しみの心を、これからも丁寧に大切に育てていきたいな、と改めて感じたひとときとなりました。