アゲハチョウを見守る目
5月27日の夕方のことでした。
「たいへんたいへん、虫がさぁ、い~っぱい歩いていって、ドアにくっついてるんだよ!!」と、大慌てで呼びに来た子ども達。
見たままの状況を、自分の言葉で一生懸命に伝えてくれました。
何事かと連れられて行った場所は、なかよし教室(預かり保育)に参加する子ども達が集まる、とってもにぎやかな場所でした。
アゲハチョウの幼虫がさなぎになる準備をして、動かずじっとくっついています。
とっさに「この子、生き物コーナーからここまできたのか・・・!」
下には靴箱が立ち並び、毎日子ども達が外遊びに走り出ていく場所。扉も一日に数回開け閉めする障害物だらけの道を、よく踏まれずにここまで移動したなぁ・・・とただただ感心しました。
子ども達が、「触ったらだめだよ」「誰かが触ったらどうしよう」と心配していたので、張り紙をして、見守ることに。


それから、毎日子ども達の視線を浴びながら、いつしか本物のさなぎになっていった幼虫さん。
そして、6月11日(水)。その日も夕方の預かり保育の子ども達みんなが集まる、にぎやかな時間でした。
「あのね、大きなちょうちょになったよ!」「すごく大きいの!」とまたまた大慌てで子ども達。

「アゲハチョウがおしっこしてる。僕はおしっこは黒だと思っていたけど、茶色だったんだ」と年中組さん。

羽をばたばたさせながら、少しずつ上に上がっていくチョウチョの一生懸命な姿を見ていた子ども達。
誰からともなく「がんば~れ!」の応援が・・・。

手拍子もはじまり、「がんば~れ!」の声援は、どんどん大きくなっていきました。

その声に押し上げられるように、アゲハチョウはどんどん上に登っていきます。
上に上に、と生き生きと(本能で)登っていく姿に、子ども達の心がどきどきしているのを感じました。
そして、アゲハチョウを見守る子ども達の姿を、笑顔でそっと包み込む先生達。
ちいさな応援団の心がひとつになったころ、アゲハはもうすぐ天井に着きそうに。
お外の雨があがっていたので、「どうする?今雨降ってないよ。ちょうちょさん、飛びたいよね。お空に逃がしてあげようか?」と尋ねると、「そうしよう!!」とみんな快諾してくれました。

外への扉を開けると、飛び立とうとしながらも2,3回落下して、そのたびに「あ~っ」「羽が濡れちゃう」と心配の声があちこちから上がりました。
でも、アゲハチョウは転んでも転んでも 羽ばたこうとして、もがきます。
その『飛びたい気持ち』が伝わってくる健気な姿を、固唾をのんで見守る子ども達。
そして、アゲハはやっと、大空に向かって飛び立ちました。

『生き物を育てている』この幼稚園での日常生活では・・・
子ども達は、『自分たちよりももっともっと小さくて弱々しいけれど、懸命に生きようとする姿』を目にしたり、『いのちが生まれる瞬間』や『いのちが消えてしまう瞬間』にも立ち会うことがあります。
この 心が揺さぶられる経験が、子ども達を育ててくれるのだと実感したひとときでした。
(この様子は後日、インスタグラムにも掲載しますので是非ご覧ください😊)

